01.蕩ける笑顔
雲の上の人たちだと思っていたこの5人と、お世話係として同居生活を始めて一週間。
宿舎に招かれた当初は勝手がわからずにいろいろと苦労したけど、徐々に5人の生活スタイルに慣れつつある。
我ながら自分の順応性を褒めてあげたい。
「さーん、今夜のメシなににすんの?」
「うーん、何がいいか迷ってるんだけど。ユチョンくんは何がいいの?」
「肉!」
「昨日食べたでしょ、ステーキ。」
ユチョンくんと二人で近所のスーパーまでやってきて買出し。
世界中にファンを持つ彼らは、リスクがあるのことを知ってるはずなのになぜか私の買い物に同行したがる。
こんなところ、週刊誌にでも撮られたらまずいんじゃないかと、最初のうちは彼らのマネージャーに相談した。
でもマネージャーから返ってくる言葉も「そんな神経質にならなくていい」と、ただそれだけ。
買い物に出るときはいつもヒヤヒヤするこっちの身にもなってほしい。
「今日も肉食べたい、いいでしょ? オレだけじゃなくてみんなも食べたいと思ってるよ、育ち盛りだし!」
「でも栄養バランスも考えないと…」
「そんな気にしなくても大丈夫だって!ね、肉にしよ!」
「…もう、しょうがないなぁ。」
カートをご機嫌に押してくれるユチョンくんの背中を追いかけながら、軽くため息をつきながらお肉コーナーに移動する。
昨日の夜はかなりカロリーのある食事だったから、今日はヘルシーな料理にしなきゃ…
なんて頭の中でいろいろ考えていると、急にユチョンくんが私の顔を覗き込んで満面の笑みを見せてきた。
「わがまま聞いてくれてありがと、さん。」
意識してるのか、それとも天然なのか…
女の人を落とすのに十分な武器になるこの笑顔、見せられて平常でいられるはずがない。
癒し効果バツグンのユチョンくんの笑顔につられて、私も自然と頬がゆるんだ。
(そんな顔見せられたら、わがままだってなんだって聞いてあげようって気になります。)
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