07.虜






どうして、こんなことになっているの。




私はただのお世話係なのに、どうして。






、俺の目を見て。」






いつの間にか、呼び捨てにされている名前。



二人きりになるとユノくんは決まって私のことを名前だけで呼ぶ。




私たちの距離がこんなに近くなったのって、いつからなんだろう。


正直思い当たる節もないし、接近する理由も思い出せない。



わかってるのは、ユノくんの行動がかなり積極的だって言うことだけ。






5人の仕事の同行したあの日、楽屋の中で、さりげなくされた告白。


私は返事を返すこともしないまま、月日が経って。



そして今、私はユノくんに抱きしめられている。



撮影スタジオのすぐそば、人気のない倉庫の中で。





、顔上げて。」


「…っ、ユノ、く、」


「やっと目合わせてくれた。」





そう言ってユノくんは笑って、私をぎゅっと抱きすくめた。



いくら人気がないとは言え、誰か来たら。


それこそマネージャーたちに見つかったら。



こんな現場見られたら、言い訳なんてできるはずがない。


どうにかしなきゃ。




「ねえ、俺はが好きだよ。ものすごく、好きだ。」


「…、っ、ユノくん…」





好きだと、想いを伝えられるたび、かける言葉がなくなっていく。




ユノくんの気持ちが迷惑だとか、いやだとか、そんな思いはこれっぽっちもない。


むしろ嬉しい、けど。



答えていいものなのか、答えちゃいけないんじゃないかってそればかりが頭の中をぐるぐると回る。





だって、私はただのお世話係。メンバーと結ばれるなんてことが、会社に知られたら。





「ごめん、伝えるだけでよかったのに…」


「…ユノくん、」


…」


「その言葉、本気にしちゃうよ。」





好きだと囁かれるたび、私はあなたにはまっていく。








(夢見ることが許されるなら)
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