15.口説く色男








始まりが唐突だったように、終わりも唐突にやってきた。





「…は?聞いてないんだけど。」


「私も今日いきなり言われたから…知らされてなくて。」





彼らのお世話係の任を、明日を持って解かれることになった。



何の前触れもなく、一本の電話で淡々と告げられた。




ここ数ヶ月で私たちの距離がぐっと縮まって、会社側も危機感を覚えたのだろうか。


幸いにもスクープに撮られるといったことはなかったけど、それがなくても危険因子は排除しなければいけないのかもしれない。



もともと、私がお世話係として5人のもとに送られた経緯もよくわからないものだったし。


始まり方がそんなだから、終わり方だって私が真実を知ることはないのかもしれない。





「それで帰るって言い出すの?帰さないからね、オレは。」


「でも、お偉いさんから直々に――」


「ここにいろよ。」





力強い言葉、真剣な眼差し、痛いほど伝わってくる想い。



思わず口調が荒くなってしまうのも、ユチョンくんの必死さからだってわかる。




本当に、こんな私なんかのためになんでここまで真剣になってくれるんだろう。





「オレだけじゃない、みんなもさんのこと帰さないと思うよ。」


「そう言ってもさ…」


「オレはさんにここにいてほしい。上から言われたとか、そういうの関係ない。」


「きっと怒られるよ。」


「だから、そういうの関係ないって。好きだから一緒にいたいの。これって悪いことなんかじゃないだろ?」





真っ直ぐな気持ちをぶつけてくれるユチョンくん。


私はあれこれ消極的なことしか言ってないのに、彼は物怖じする様子もない。




自分が情けなくなって、ユチョンくんから目をそらした。



途端、ユチョンくんに力強く抱きしめられる。


かなり加減のない力で、私はユチョンくんとの隙間がなくなるくらい抱きしめられていた。





「絶対に帰さない。」





低い声がそう呟く。




ユチョンくんの魅力的な唇が目の前にあると思ったら、次の瞬間にはキスをされていた。



甘い誘惑が、私の理性を攫っていく。








(もう戻れないと知っていながら)
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