甘い甘い、二人だけの時間。
過ぎるのはあっという間で、
「、そろそろ寝ようか。」
私の気も知らないで、微笑みをたたえたユノは促すように立ち上がる。
「やだ、まだ眠くないもん。」
「子どもみたいなこと言うなよ。しょうがないなあ。」
差し出されたユノの手から顔をそむけると、困りつつも柔らかい声が少しだけ離れていった。
何をするつもりなんだろう。
珍しくキッチンに入ったユノを眺めていたら、電子レンジに何かを入れた。
ボタンを押すのと同時に私に振り向いて、「これ飲めばよく眠れるよ。」と爽やかな笑顔を向ける。
「……ホットミルク?」
「そう。」
ただ単に牛乳を温めただけの、いたってシンプルなホットミルク。
暖かいマグカップにほのかに甘い香りは確かに眠気を誘うだろうな、とは思う。
だけど私が言いたいのはそういうことじゃなくて。
「……ユノ、もう帰っちゃうの、」
言葉尻が上がらず、なんだか決めつけるような言い方になってしまったのはユノの答えをわかっているから。
いい年して大人げない反応だなと自分でも思う。
それでも引き留めたい、帰ってほしくない。
そんな気持ちが強くなる一方で、子どもっぽいと言われることになんの抵抗もなかった。
ついさっきまで、ユノにひっついてくだらないことで盛り上がって、じゃれて笑ってたくさんキスをした。
そんな甘い時間から抜け出して眠りにつくなんて、まだまだ早すぎる。
「俺もも、明日仕事だから。」
「それはわかってるよ。でも……まだ一緒にいたい。」
「もう寝なきゃ。」
「泊まっていけばいいじゃん。」
駄々っ子になる私を、ユノは少しだけ困ったような顔をして見下ろしていた。
ユノのことになるといつも余裕がなくなる。
私ばっかり必死になって、ユノはすごく冷静でいるから、同じ気持ちでいるわけじゃないんだと不安になる。
めんどくさい女の典型、わかってはいるけど、でも、だって、
私が発しようとしていた言葉は、声になることなく体の中に押しやられた。
両肩に大きな手が置かれている。
目の前にはまぶたを閉じたユノの顔が、とても近くにあって。
押し付けられた唇は、熱を持ってあつかった。
ホットミルクで良い夢を