「幸せだなぁ。」





隣から聞こえた暖かな声。



顔を向けるとこちらを見つめてふふ、と笑みをこぼす。





「こうしてユノの隣にいられて、幸せだなーって思ったの。」


「……面と向かって言われると恥ずかしいなあ。」


「ふふふ。」






たまには二人でおいしいものでも、とディナーをしたレストランからの帰り。



久しぶりに公共機関を使ってみたいと俺が言うと、はずっとそわそわしながら一緒に電車に乗ってくれた。




の最寄駅で降りて、肩を並べて帰路を歩く。




星がきれいだね、と呟いてから少し間を開けて、さっきの言葉が呟かれた。






「あ、ココアだ。買ってもいい?」






自動販売機の一番下の段、ボタンを押す指は俺よりもずっと細くてしなやかだ。


綺麗に整えられた爪の先に目がいってしまう。




ガタン、という音がして、が屈んだ。



その様子を見ていると、当たり前のように俺にもココアが差し出される。





「久しぶりに飲むな。」


「今日は久しぶり続きだね。」





また隣に並んで歩きだす。



おいしい〜、と間延びした声が愛おしくて、思わず笑ってしまった。





俺も、今この瞬間がすごく幸せだ。



何気ないことだらけが、がいるだけでこんなにも幸福感に満ち溢れる。






「……あとちょっとで家についちゃうね。……離れたくないなぁ。」


「……一緒にいようか。」


「えっ、ほんと? 泊まってってくれる?」


がいいなら。」





にやつくのを抑えられない、とでもいうようなの顔に、また吹き出してしまった。



かわいい。


本当に、俺、幸せだ。






「一緒にいよう。今日も、これからも、この先もずっと。」








愛と夢を混ぜ込んだココア