誰かに男心について教えてあげてくれないかな。
ユチョンヒョンとかジェジュンヒョンとか…
もう誰でもいいから、に男相手に安易なスキンシップは要注意ってことを、誰か教えてあげてよ。
Innocent girl
迂闊だった。
ソファで横になって読書なんてしてたら、眠くなって寝ちゃうことはわかりきってたのに。
そして、の性格上、そんな僕を見つけたら放っとかないってことも、わかりきってたのに。
「…。」
本当、僕としたことが…。
今更後悔しても遅いことはわかってるんだけど、でもやっぱり後悔せずにはいられない。
「おっ、なんだチャンミン、襲われてんのー?」
「ユチョンヒョン、冗談はよしてください。」
「ははっ、だって見ようによっちゃそう見えるんだもん、仕方ないじゃん?」
僕の顔を覗き込んでいるユチョンヒョンは、悪戯そうな笑顔を向けて「ま、頑張んなー。」と部屋に戻ってしまった。
見ようによっては襲われている、なんていうのはちょっと大げさだと思う。
というのも、仰向けに寝ていた僕の上にがうつ伏せになって寝ている、というだけだから。
まあ、冷静に語れるような状況でもないんだけど…。
「、起きて。」
「……。」
「…参ったな…。」
大きくため息をついて、額に手を当てる。
自分の顔が思ったより熱を持っていて、こりゃ時間の問題だな…と僕はうな垂れるしかない。
何が時間の問題かなんて愚問中の愚問だけど、要するに僕にも欲があるわけで、そうなるといつまでもこうしていられるのは非常に困る。
軽く揺すってを起こそうとするも、一度眠った彼女はなかなか起きない。
これもわかっていたことだ。
ますます顔に熱が集まる。
僕の葛藤をよそに、はとても気持ちよさそうに僕の上で規則正しく呼吸を繰り返している。
普通、人の体の上で熟睡する人なんてそうそういないと思うけど、の場合悪びれもなくやるんだからはきっと普通じゃない。
恋人だからって、何でもかんでも許されると思うなよ?
と、言ってやりたくなる。
それでも言えないのは、僕の弱さなんだろう。
だって言えばがしょぼくれるのはわかってるし、そんなは見たくない。
のこういう、一種の甘えのような行動も、対象は全部僕だから悪い気はしない。
でも僕にも限界というものがある。
「ん……えへへ、…チャンミーン…。」
「――!! …ああ、まったく…もう…!」
夢の中に入ってまで僕のことを翻弄する気なんだろうか。
だとしたらは、天然小悪魔なんだろう。
顔の熱が引くどころか、格段に増した。
断言してもいい、きっと僕は今耳まで真っ赤だ。
全部全部、のせいで!
「…っ、本気で起きてよ、頼むからっ。」
「…ん、んー…。」
心臓がドキドキ、いつもよりも速いスピードで脈打ってる。
僕の胸に顔を乗せているにもその振動は伝わってるはずなのに、彼女は未だに起きない。
恨めしいほどに安らかな寝顔だ。
つねってやろうか。
「……チャンミン、まだやってんの?」
「ゆ、ユチョンヒョン! あの、を引っぺがしてくれませんか!?」
「えー…いいじゃん、面白いからこのままで。」
「面白がらないでください!助けて!」
「じゃあ起き上がっちゃえばいいんじゃん?そのまま。」
「(このやろう、他人事だと思って楽しみやがって!)…っ!」
「チャンミン、顔真っ赤。」
このまま起き上がるとなると、を半ば抱きしめる形で起き上がらなきゃいけない。
そんなの自分で自分の首を絞めるようなもんだ。
できっこない。
「ちゃんが自分で起きるまで待っててやんなよ。チャンミンだって、今起こしてその顔見られたくないだろ?」
「……そんなにひどいですか、僕の顔。」
「うん、チョー真っ赤。熟れたトマトみたい。」
「……。」
ある程度自覚はしてたけど、改めて指摘されると余計に恥ずかしくなる。
そんなに酷い顔は、確かにには見られたくない。
ああ、情けなさすぎる。
「…はあーっ…。」
ため息を一つついて、僕は全力で心の中で祈った。
顔の赤みが早くひいて、すぐにでもが起きてくれますように、と。
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2011.4.30
小松さんから頂きましたリクエスト、恥ずかしがる、照れるちゃんみんをお送りしました。
ヒロインとの会話がゼロですみません。
このちゃんみんはだいぶ苦労者みたいですね(笑)かわいそう。
小松さんリクエストありがとうございました!(^-^*)