「ねえ、。」
「…んー?」
イライラしたり、落ち込んだりしてる私のことを、
「旅行、しようよ。」
さり気なく気遣って癒してくれるのは、昔からジェジュンだった。
君を 。
「…旅行?」
「うん。景色の綺麗なところでリフレッシュしたくない?」
「そりゃ、行けるものなら行きたいけど、時間が合わないじゃん。」
「のためだったら無理してでも時間作る。」
そういってジェジュンは私にVサインを作って見せた。
そういえばいつだったか、前も同じようなことがあったなと過去を振り返ってみる。
突然電話で呼び出されたかと思ったら、車に乗せられて半ば無理矢理日帰り旅行に行かされたんだった。
あとからみんなに聞いた話だけど、ジェジュンはあの日のために仕事を詰めに詰めて無理矢理1日休みにしてくれたらしい。
「いいよ、無理して時間とらなくても。こうやって一緒にいられるだけでいいもん、私。」
「とか言って、眉間にシワよっちゃってるよ。」
「疲れてるのー。とにかく、いいからね。気遣わなくて。」
気持ちだけで嬉しいから、と伝えると、ジェジュンは頬をぷっくりと膨らませて、ふてくされた顔を作った。
指で頬をつついてやると、口の中から空気がぷすぷすと抜けていく。
私にやられるがままのジェジュンは、ふてくされた顔をしながらも口をすぼめただけの、何とも面白い顔になってしまった。
「ほんと、ジェジュンって時々すごい可愛いことするよねー。」
「…かわいいって言われるよりかっこいいって言われたい。」
「かっこいいよ、かっこいいけど…今のは可愛い。」
予測不可能な彼の言動と、行動。
それが彼が愛される所以の一つであることを、私は十分に理解している。
普段は天然ぽくて、何を考えてるんだかわからなくなるときがあるくせに、
「…、元気でた?」
見てないようで見てて、ビックリするくらい頼りがいのある人。
そんな二面性を持った彼に、私は何度も心を奪われている。
「…なんで、わかったの。」
「なんとなく、いつもと違ったから。」
「すごいね、ジェジュンは。ぽけーって抜けてるかと思ったら、これだもんなぁ…適わないや。」
どちらからともなく歩み寄って、私はジェジュンに体を預け、ジェジュンは私をそっと抱きしめた。
「のことだったら大抵のことはわかる。」なんて言うもんだから、思いっきり甘えたくなってしまう。
ジェジュンは昔から私のことを甘やかしていて、私は昔からジェジュンに甘えたがる人間だ。
「私、ジェジュンから離れないと自律できない気がする…。」
「しなくていいよ。ずっとそばにいるから。」
「…なんで、そーゆーこと言うかなぁ…。」
「なんでって、が好きだからしかたないよ。」
こっちは泣き声になりかけてるって言うのに、ジェジュンはお気楽に笑いながら喋っていた。
それも彼なりの配慮だと私は知っているから、なおさら泣けてきてしまう。
ポンポンと一定のリズムを刻んで私の背を叩くジェジュン。
旅行行くならどこがいいかなぁ、どうせなら二泊三日とか時間をとって行きたいよね、なんて、話がまた戻ってしまっている。
「の笑った顔を、いーっぱい写真に収めたい。」
頭上から降ってくるジェジュンの楽しそうな声。
うん、と蚊の泣くような声で反応すると、ジェジュンはぎゅーっと腕に力をこめて私を抱きなおした。
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2011.12.2
久々に、じぇじゅん。
うちのじぇじゅんは可愛いことやってることがあんまりなかったなと思って、それらしさを出したかったんですが、あんまり変わらないね。
彼の包容力ってすごい、ハンパないものだと信じて疑いません。
いつもは不思議ちゃんなのにね、たまに見せるしっかりしたところとか、たまらないですよね!
包容力のある人に女の子は惹かれてしまうもの、だったりするんじゃないかなと思うわけです。