私たちは長いこと会えないのが当たり前だから、寂しくなった夜はiPodで彼の歌声を聞いて心を落ち着ける。
音量を大きめにして、ヘッドホンを耳に当ててベッドに寝転ぶ。
目をつぶればジュンスの歌声だけが私を包んで、それだけで幸せな気持ちになれる。
Perfect Performer
力強い歌声も、囁くような歌声も、全部好き。
歌を歌っているときのジュンスは本当に輝いていると思う。
心から楽しんで、幸せそうなジュンスを見ているだけでこっちも幸せになる。
ヘッドホンから流れてくるジュンスの声を聞きながら、歌っている姿を頭に思い浮かべることなんていとも容易い。
次に会えるのはいつになるのかなー、なんて考えながらうとうとしていると、肩をトントンと二回たたかれた。
自分でも大げさすぎるだろって思うほど驚いて飛び跳ねて後ろを振り返ると、そこにはジュンスの姿。
パクパクと口が動いているけど、ヘッドホンのせいでなんて言ってるのかわからない。
急いでヘッドホンを取り外すと、ジュンスはもう一度同じことを言ってくれた。
「久しぶり、。」
「ジュンス、なんで!?」
「ずいぶん前に合鍵くれたでしょ、だから来ちゃった。」
「仕事は!?ここにいていいの?」
「大丈夫だよ。」
へらりというか、ふにゃりというか。
ジュンスが私にしか見せない顔で笑ってくれるから、思わず私は腰に抱きついてしまった。
うわ、とか言いながらも抱きしめ返してくれるジュンス。
ヘッドホンからは未だに流れている曲が音漏れしている。
「あ、これボクの曲。」
「寂しかったから聞いてたの。」
「えー?…えへへ。」
「なに照れてんの。」
「えー、嬉しいじゃん。…ねえ。」
ねえ、と言われても私にはよくわからない。
ジュンスは包み隠すこともなく、嬉しい嬉しいと笑っては私を抱きしめる腕に力をこめた。
相当嬉しかったらしい。
かく言う私も、本物のジュンスに会えてすごく嬉しいので、負けじと抱きつく腕に力をこめた。
大好きなジュンスの香り。ぬくもり。
また鍛えのか、前にあったときより少しだけ体ががっちりしている気がする。
「、眠そうだね。」
「少しね。でもせっかくジュンスが来てくれたし――」
「ううん、ちゃんと寝よう。しばらく一緒にいられるから。」
「……は、」
「、顔!あほの子みたいになってる。」
「しばらく、一緒にって…なに、どういうこと?」
あほの子ってなんだ、って思ったけどそんなことより、ジュンスが今言った言葉に食らいつくほうが先だ。
今までなかなか会えなかったのに、いきなりしばらく一緒にいられるってどういうこと。
「言葉のままの意味だよ。」
ちゅっと音を立てて、ジュンスが私の額にキスをした。
そんな、ユチョンみたいなこと、いったいいつどこで覚えてきたんだろう。
きゅっと私を抱きしめなおすジュンスがものすごく男の人に見えて、ジュンスが男だってことは事実ですごく前から知っているはずなのに…!
会わないうちにずいぶんと、
「かっこよくなったんだね、ジュンス…」
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2012.09.13
大人の男の余裕をかもし出すじゅんすというものを見てみたい!