きみの頑張りを知っている
「ただいまー……。」
「おかえ…、うわ、疲れた顔してるねー。」
今にも膝から崩れ落ちそうな前傾姿勢で靴を脱ぐの手から、彼女の手荷物を受け取るジュンス。
そのまま手を引きソファまで来ると、自分の膝上にを寝かせた。
「ジュンス?」
「ひざまくら、してあげる。」
柔らかい手つきでの頭をなで、即興の鼻歌を口ずさむ。
あっけにとられていたは心地の良いメロディーと蓄積した疲労も相まって、徐々に目をまどろませた。
「ジュンス、いいよー……このまま、寝ちゃうから、」
「うん、寝てもいいよ。起きるまでこのままでいてあげるから。起きたらご飯食べようよ。」
「んー、何時に起きるか、わかんないよ。」
「気にしないでいいよ。」
にこやかなジュンスは、半分眠りかけていると軽く唇を合わせる。
音もなく離れると、は八の字眉のまま笑いかけた。
「うばわれた、もう、ジュンスてば……。」
「ボクの膝代ね。」
すぅ、とそのまま眠りについたらしい。
そんな彼女を愛おしそうに眺めたジュンスは、再び鼻歌を再開させる。
いつの間にか握り合っていた二人の手は、お互いの体温を共有していた。
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2015.7.8
いつも頑張っている人へ、お疲れ様です!