「はい、クリスマスプレゼント。」
付き合い始めてから初めて二人で過ごすクリスマス。
オレンジ色の暖かい照明が部屋の雰囲気を柔らかくしているのか、は少し眠たげな顔をしてチャンミンを見上げた。
渡された小さな紙袋を覗きながらそわそわしている表情を見て、チャンミンは顔をほころばせた。
自分が先ほどそうだったように、こういったものを開ける時の緊張感には気分が高揚する。
今のからはその感じが滲み出ていて、かわいらしいなあと思わずにはいられなかった。
「なんだろう…どきどきする。」
手に取った小さな箱を開ける様子を、チャンミンは伺うようにして見る。
「これ、ピアス?」
「そう。僕も同じの買ったからお揃いでつけようと思って。」
小箱から顔を上げたに自分のつけているピアスを見せる。
確かにに贈ったものと同じピアスだった。
「おそろいなんだ。」
「そう、だからも――」
案外の反応が薄いな、とそこまで考えて、チャンミンの表情が固まった。
の肩にかかる髪を手の甲でよけてため息が漏れた。
「…ごめん、私穴開けてないんだ。」
申し訳なさそうなの謝罪。
やってしまったというチャンミンの顔を見て、はさらに表情を雲らせた。
チャンミンはというとただただ自己嫌悪に陥っていた。
会う時間が少ないとはいえ、大事な恋人のことをきちんと把握していなかったということへの罪悪感。
半ば押し付けのようなプレゼントになってしまったことへの申し訳なさもあるが、それ以上に罪悪感のほうが上回っている。
「…ごめん、買い直してくる。」
「い、いいよ!せっかくチャンミンが選んでくれて、チャンミンとお揃いだし!」
「ちゃんと確認すればよかった。……それ以前にがピアスしないって、覚えてなくて…本当にごめん。」
先ほどの高揚していた気分はどこへいったのか。
まさか自分がこんな過ちをするとは思っていなかった。
申し訳なさからの顔を直視することができない。
俯いているチャンミンの腕に、優しく添えるように手を置いたは「チャンミン。」と笑いながら呟く。
「明日、ピアッサー買ってくるから。チャンミン、開けて?」
「え?」
「せっかくもらったものだし、私もチャンミンとお揃いのピアスつけたいもん。」
小箱の中できらめくピアスを柔らかい表情で見つめている。
その横顔が美しく、チャンミンは返す言葉も見つからずただ見つめている。
そして振り向いたが彼に向けて微笑んだ。
「ありがとう。大事にするね。」
心の底から喜んでいるような表情。
その姿が輝かしく見えて、チャンミンはたまらずを腕の中に引き寄せた。
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2015.01.03