「おかえり、。」


「――っ、ただいま!」





のマンションの前。



冷たい空気は、吸い込むと体が震えるほど。




の車が駐車場に入っていくのを見たときには、念願かなってようやく会えると歓喜に体が震えた。




駐車場から小走りで駆け寄ってきたに、笑顔で声をかける。



一瞬言葉に詰まりながらも、つられて笑うは若干瞳を潤ませていた。
























「ねえ、ジェジュン。」


「なに?」


「これ、本当はもっと早くに渡したかったんだけど。」





引き出しから、渡し損ねた合鍵を取り出す。



握りしめた手をジェジュンに差し出すと、開かれた大きな掌に押し付けるようにして背を向けた。






「……これ、」


「泊まってった次の日に、渡したかったんだよ。でもジェジュン来ないし、かと思ったらドイツ行っちゃうし……」


「もらっていいの?」


「うん。好きなときに来てよ。……それがあれば、寒くても中で待ってられるでしょ。」






長時間、マンションの前で待っていたことを言っているのだろう。



ジェジュンは照れ笑いをしながら、照明に照らされて輝く合鍵を見つめて呟く。




の耳にちゃんと届くように。







、好き。」







ゆるりと視線を合わせた二人は、瞳を潤ませながらもお互いに笑顔だった。




もう昔とは違う距離の近さに、くすぐったさを感じつつも幸せをかみしめる。






「私も好き。」






どちらからともなく歩み寄って、静かに優しく唇を合わせた。



目を閉じると、昔の記憶や最近の出来事が脳内をかけていく。





小さいころ、無邪気な笑顔で手をつなぎ、走り回った日々。






今は大きな掌で、の手をしっかりと握っている。







「メリークリスマス。」






また二人で一緒にいられるね、と笑うに心の底から愛おしさがこみあげて、たまらなく引き寄せて抱きしめた。








---------------
2016.12.28