モデルとして撮影のために体作ったり、



俳優として台詞を一生懸命覚えたり、



アーティストとしてダンスの振り付けを頭に叩き込んだり、






そんな彼の一挙一動に心を奪われた、私。









傍に寄り添って









ー。」



「はーい。」






丸々1日が休みになっても、だらけることなく常に仕事のために動き回るユノ。





早朝から1時間ランニングしたかと思えば、朝食後には台本片手に台詞覚えに没頭。



少しの休憩を挟んで今度は筋肉トレーニング。



それが終わればスケジュール確認。


分刻みになるスケジュールを、なるべく頭に入れるんだってものすごく真剣な表情をして。





そんなユノに私ができることなんて、ホントに些細なことだけ。



健康重視のご飯を作ったり、スポーツドリンク作ってあげたり、タオル用意しておいてあげたり。




なるべく邪魔にならないように、ユノが少しでも時間を有効活用できるように動くだけ。



必然的に、同じ空間にはいても一緒にいる時間は制限される。










「こっち。ここ座って。」



「…え?」



「早く、ここ座って。」







わがままだってわかってるけど、少しはユノの傍にいたいなーって思ってた矢先。





優しい微笑を浮かべながら、ユノは私に手招きをしてきた。



ソファの自分の横のスペースをぽんぽん、と示すユノ。




早く早くと急かされて、いいのかなと思いながらも私は腰を下ろす。





久しぶりにユノに寄り添う気分。



今の今まで顔合わせてたのに、改めてこうして幸せな気持ちになるのはなんでだろう。








「手、出して。」



「…手?」



「ん。…こうすると、落ち着くんだ。」







そっと開いた私の右手は、ユノの大きな手にきゅっと握られる。



落ち着く、と言いながら、ユノは私に寄りかかって頭をコテンと肩に乗せた。





その瞬間から、時の流れがゆっくりになったような感覚になる。



さっきまでの雰囲気とはうって変わって、穏やかな空間に私とユノの二人だけ。




こんなにゆったりと過ごすのなんて、何日ぶりだろう。








「はー…落ち着く。」



「さっきから同じことばっかり言ってるね。」



「本当にの傍にいると落ち着くんだよ。安心するっていうか…俺のあるべき場所に帰ってきた、みたいな。」



「やだな、恥ずかしい。」



「なんで?」



「…なんでも。」







遠慮なしに私に全体重をかけてくるユノ。



それがなんだか嬉しくて、私は笑いながら鼻歌なんて歌い始めてしまう。




ご機嫌だな、そういうユノも相当ご機嫌なようで、







。」



「んー?」







ちゅっと、軽いキスを何度も何度も。




年甲斐もなくじゃれ合いに発展するまで、何度もキスをしてくれた。









---------------
2011.1.28

ゆのに全体重で寄りかかられたら、それなりに厳しいものもあるかもしれませんがそこはご愛嬌。
全力で寄りかかられてみたい。(笑)