お互いの休日が重なったというのに、外はあいにくの雨模様。



仕方がないから家でゆっくりしようと二人で決めたのがついさっき。




。俺、やりたいことがある。」


「なに?」


を抱きしめて寝ることと、膝枕してもらいたい。」




ちょうど洗い物が終わったそのタイミングで真剣な顔をしてそう言うから、どう反応していいのか戸惑ってしまった。






Thanks to the rain






「ユノって結構男の子だよね。」


「だって、男だし。」


「で、どっちからすればいいの?」


「うーん……じゃあ、膝枕。」




ソファに深く腰掛けると、ユノがその上に横になって爽やかな笑顔を向けてきた。



なかなか新鮮なアングル。


ユノは上機嫌で、ずっとにこにこしている。






「いいな、これ。クセになりそう。」


「うーん……でも、重い。」


「軟弱だなあ、は。」




ユノの気が済むまではこうしていようと思うけど、たぶんユノが頭を上げたらしばらく足がしびれて動けないだろうなと思った。



そんな休日の過ごし方もたまにはいいよね、と自分の中で納得して、ユノの頭を意味もなく撫でる。





「落ち着く……」




目を閉じて穏やかな顔をしたユノ。



なんだか、今度は大きな子どもを相手にしているみたい。




ゆっくりと目を開くユノはやっぱり眠そうで、寝てもいいよと言うと弱く首を振る。





「寝るときはを抱きしめたいんだ。」


「じゃあ、これやめる?」


「今はこのままがいい。」


「わがままね。」


「うん、だから、寝ないよ。」





そんなこと言って、声はかなり眠たげになっているのに。



ときどき思い出したように目を見開くユノ。


そんな頑張って起きてる必要ないのに。




前髪を梳くようにして撫でると、気持ちよさそうに目を閉じる。





「今日、本当はと出かけようと思ってたんだ。」


「そうなんだ。」


「でも雨でよかった。」





重たそうに私の上から起き上がって、隣に座りなおしたかと思うとするりと腰に腕が回される。



もう片方の手は背中に回ってきて、必然的に私たちの距離が近くなってユノの色気のある顔が目の前に来る。





「もう一つの俺のお願い、聞いてくれる?」





言葉なく頷けば、ユノは笑顔で私にキスをした。





外の雨は、まだまだ止みそうにない。



ユノはきっとこの天気に感謝してる。



口実なんか作らなくたって、いいのにね。







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2015.7.19

膝枕、ゆのバージョン。